ブラームスの子守歌

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「しぞーか、でしょ?」子どもの頃に勘違いしていた、ちょっと恥ずかしいこと

 

お題「子どもの頃に勘違いしていた、ちょっと恥ずかしいこと」

 

「しぞーか」

 

しぞーかって、ピンときます??

小さな私にとっては、しぞーか = 静岡のことでした。

ずっと、しぞーかかと言っていましたし、誰かに訂正されたこともありませんでした。

 

小学校に入って、いつだったか47都道府県を覚えることになったとき、初めて、

「静岡」は「しずおか」だったのだと知りました。

 

プリントに向かう教室の机で、私の顔は人知れず真っ赤になっていたことでしょう。

 

おばあちゃんとしぞーか

祖母の実家が静岡県にあります。

お茶畑はやっていませんが、代々梨農家をしていたそうです。

 

祖母は7人兄弟姉妹の中では一番背が低く、兄弟姉妹が木に登って梨を採るのをいつも羨ましく思っていたそう。

 

「早く大きくなりたいなぁ。そしたらあの木に登って、自分でとった梨が食べられるのにな~」

 

というささやかな祖母の夢は、残念ながら叶いません。

 

太平洋戦争が始まったことが原因です。お国から、「梨なんぞ作っても飢えはしのげん。田んぼにしろ」という旨のお達しがあり、梨畑は田んぼへと姿を変えることになったのです。

 

この話を初めて聞いたのは、私がまだ小学校低学年の頃だったと思います。おばあちゃんの夢が叶わなかったことに、すごくショックだったのを覚えています。

 

米農家になったことで戦時下でも白いお米を食べることができ、裕福にもなったそうで、結果的には良い話なのかもしれませんが、当時の私はすごく胸が苦しくなりました。

 

お題からは逸れてしまいましたが、「しぞーか(静岡)」という単語は私にとって小さなころの勘違いを思い出すと同時に、おばあちゃんと梨を想起させる、懐かしい響きを持っています。

 

 

最後に

1つだけ、大切なことを言い忘れました。

静岡をしぞーかと言っても、おそらく誰にもバレません。

一度、試してみてください。